むし歯の治療は、その大きさなどにより、処置方法が沢山あります。
処置に当たっては、現在の状態をお話した上で、治療法が複数あるときはすべてお話して、歯科医として最も良いと考えられる治療法のアドバイスをします。最終的に治療法は患者様に選択していただくことになります(治療法が複数あるとき)。
むし歯の治療をはじめ、その他の治療では麻酔を使うことが多いのですが、当院では麻酔が必要なときは、痛みを極力抑えるため電動麻酔器を使用します。また、麻酔量も最少ですむので、麻酔時の違和感や麻酔が消えるまでの時間も最小ですみます。
削るときの「キーン」という音がどうしても耐えられないという方のために、音の少ない特殊な器械もありますのでお申し出下さい。
小さいむし歯 | 白いプラスチックの詰め物(当日1回で終わります) |
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比較的大きいむし歯 | 金属の詰め物または白いセラミックの詰め物(型どりとセットの2回かかります) |
大きいむし歯で神経の治療を必要とする場合 | 小さい虫歯と違い根の治療が必要なため4~5回かかります |
以上は目安ですので、状態によって更に長引く場合があります。
その他疑問点などありましたら、遠慮なくお尋ね下さい。
材料は担当ドクターと相談してください。
C0(シーオー)とは、初期のむし歯です。
歯の表面のエナメル質が溶けて、白く濁りが見られる状態です。
この段階では痛みを感じません。
また、C0の状態は、歯を削る必要はありません。
正しいブラッシングによって治癒することがあります。
そのため、丁寧な歯磨きを心がけましょう。
C1は、エナメル質が溶けてしまい、歯の表面が黒くなった状態です。
痛みなどの自覚症状はありませんが、C0よりもむし歯が進行している状況です。
C1では、むし歯部分を削って治療します。
むし歯の進行は浅いため麻酔を使用する必要がないこともあります。
C2とは、エナメル質の内部の象牙質までむし歯が進行した状態です。
この状態になると、冷たいものや甘いものを食べると歯がしみます。
C2の状態は、むし歯部分を削って詰め物(インレー)をして治療します。
型をとる必要があり、作製には1~2週間ほどかかる場合もあるので、完成するまでには仮の詰め物をします。
C3とは、むし歯が神経にまで達した状態です。
激しい痛みを伴い、むし歯の進行もかなり進んでいます。
C3の状態では、神経を取り除く「根管治療」が必要です。
治療には痛みを伴うこともあるので、必要に応じて麻酔をします。
根管治療をした後には、栄養が行き渡らなくなり弱くなってしまった歯を守るため「クラウン」と呼ばれる被せ物を使用して機能を回復させます。
C4は、神経が死んで、歯根までむし歯が達した状態です。
ここまでくると、神経が死んでしまっているため、痛みを感じなくなることもあります。
この状態をさらに放置すると、根に膿みを持つようになり、強烈な痛みを感じるようになったり、腫れてきたりします。一時的に痛みがなくなったからといって放っておくことは危険です。
この段階までむし歯が進んでいると、ご自身の歯を残すのは難しくなります。症状がひどい場合は抜歯を行い、ブリッジや義歯、インプラントによる治療をおこないます。